2025年度 共通テスト日本史B 第2問 (問1)解説|田沼意次の財政政策と蝦夷地開発

共通テスト日本史解説(2025)

2025年度 共通テスト日本史B 第2問 問1

試験問題は大学入試センター公式サイトで確認できます。

▶ 大学入試センター(共通テスト過去問)

第2問問1は、江戸時代中期の経済改革と新しい政治の動きをテーマにした問題です。
とくに田沼意次たぬまおきつぐによる政治・経済改革を中心に、従来の年貢中心の財政から、商業・流通を重視する重商主義政策への転換を問う内容になっています。

時代背景

時は江戸時代、10代将軍徳川家治とくがわいえはるの時代。実権を握っていた田沼意次たぬまおきつぐによる「田沼時代」と呼ばれる時期です。
米相場の下落と物価上昇によって財政は悪化しており、年貢増徴に代わる新しい財政再建策が求められました。

田沼意次の財政政策と蝦夷地開発

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田沼意次の政策内容

分野主な政策内容
流通・商業政策南鐐二朱銀なんりょうにしゅぎん鋳造ちゅうぞう/株仲間の奨励/専売制の実施
貿易・殖産興業俵物役所の設置/蝦夷地えぞち開発の企図/印旛沼いんばぬま手賀沼てがぬまの干拓計画
政策の挫折要因賄賂わいろの横行/天明の飢饉ききん(浅間山噴火)

問題の概要

第2問問1は、江戸時代中期の経済改革と新しい政治の動きをテーマにした問題です。
とくに田沼意次による政治・経済改革を中心に、
従来の年貢中心の財政から、商業・流通を重視する重商主義政策への転換を問う内容になっています。

砂糖の普及に関する資料(工藤平助の意見書)を読み取り、「江戸時代に輸入された砂糖がどのように消費されていたか」という点に基づいて正しい選択肢を選びます。

  • 中白砂糖の年間輸入量は約 250 万斤
  • うち 150 万斤は江戸で消費
  • そのうち菓子屋が使うのはわずか 4〜5 百斤
  • 残りのほとんどは「下賤の者」が日常的に食べている
    →民衆の砂糖消費の増加を批判的に述べている

この内容から、「民衆による贅沢消費を問題視している」という点が重要ポイントとなります。

政策の成果と限界

田沼の政策は経済合理性を持っていましたが、賄賂わいろの横行や天明の大飢饉だいききんなどの影響により失敗に終わりました。
それでも、彼の改革は江戸幕府の中で珍しく現実的・経済志向的な政策として評価されています。

解説たぬき
解説たぬき

田沼意次は金に汚いと思われていたが、「カネ」を重視するのは合理的な判断からじゃ。ただカネが好きなだけだったわけじゃないんじゃ

子たぬき
子たぬき

僕はお金大好きだけどね

問1のあ:蝦夷地開発の意見書

「意見書を受け取った人物」は田沼意次たぬまおきつぐ。田沼は財政再建策の一環として長崎貿易の奨励しょうれいを行い、
中国向け俵物輸出のために俵物役所を設置しました。蝦夷地えぞちの開発も工藤平助の建言に基づき、
最上徳内もがみとくないらを派遣して調査を実施しましたが、実現には至りませんでした。
よって、問1のあは正文(正しい文)です。

子たぬき
子たぬき

なんで蝦夷地を開発しようとしたのかな

解説たぬき
解説たぬき

俵物はいりこ・ほしあわび・ふかのひれを俵に詰めたもので、蝦夷地が主な産地だったからじゃな

問1のい:株仲間政策

田沼意次は貨幣経済を背景に、商人の活動を通して税収を確保する方針を取りました。
そのため、株仲間を積極的に公認し、営業特権の代わりに上納金を納めさせました。
「株仲間を解散させた」という記述は誤りであり、株仲間を解散させたのは水野忠邦みずのただくに(天保の改革)です。
したがって、問1のいは誤文(誤り)です。

子たぬき
子たぬき

せっかく株仲間を公認してきたのに、解散させちゃった…

解説たぬき
解説たぬき

株仲間の独占的な営業が物価高騰の原因だと思ったんじゃな

まとめ

  • 「あ」:蝦夷地開発の意見書 → 田沼意次による政策 → 正文
  • 「い」:株仲間の解散 → 水野忠邦の政策 → 誤文

田沼時代の特徴は、「重農主義」から「重商主義」への転換を図った点にあります。

参考文献

  • 『一度読んだら忘れない日本史の教科書』(山崎圭一)
  • 『大学受験 新標準講義 日本史探求』(田中結也)
  • 『2026年版 共通テスト過去問研究』(数学社)

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