2025年度 共通テスト日本史B 第4問 問1 解説
試験問題は大学入試センター公式サイトで確認できます。
問1は、鎌倉時代の御家人・笠間時朝の活動に関する理解を問う問題です。
笠間時朝は、
- 寺院や神社へ仏像・経典を奉納したり、
- 和歌を詠む文化的側面を持ち、
- 中国からの印刷経典(唐本)に接する機会もあるなど、
当時の御家人が、武士であると同時に政治・文化・外交など多面的な役割を果たしていたことを示す人物として紹介されています。

笠間時朝は武将であり、歌人だったんだね

鎌倉幕府の仕組みと改革
問1の①について
唐物
中国から舶載された物品の総称。唐時代の品に限定するものではない。
資料1によれば、御家人の笠間時朝は鹿島神宮に中国で印刷された「唐本一切経」(仏教の聖典)を奉納しています。「唐物」は中国からもたらされた輸入品をさします。したがって、問1の①は適当です。
時代背景
時は鎌倉時代。北条義時・北条政子が亡くなり、鎌倉幕府を支えてきた有力御家人たちは世代交代の時期にさしかかりました。
北条泰時は幕府を立て直すため、執権を補佐する連署や、有力御家人による合議機関である評定衆を設けました。
さらに、武士の慣例や規範をまとめた法典御成敗式目を制定し、武士の基本法としました。

平安時代の貴族中心の社会から、鎌倉時代の武士中心の社会になったから、新しいルールが必要だったんじゃ
裁判制度の整備
問1の②について
評定衆: 執権・北条泰時が重要政務や裁判の評議・裁定を行うために設けた役職。引付: 裁判の公平・迅速を図るため、北条時頼が設置した訴訟審理機関。引付衆が審理を行い判決原案を作成し、評定会議で判決が出された。
評定衆や引付衆には、北条氏一門のほか、有力御家人や実務官僚が任命されました。したがって、問1の②は適当です。
室町幕府の成立と半済令
問1の③について
時は室町時代。足利尊氏が征夷大将軍となった後、約60年続いた南北朝の内乱で朝廷の勢力は衰え、荘園体制も崩れていきました。
足利尊氏は全国の武士を統制するため、地方の守護に強力な権限を与えました。

荘園は奈良時代から戦国時代にかけて存在した、中央貴族や寺社が私的に所有した土地じゃ。室町時代の応仁の乱後に事実上崩壊したぞ
半済令(1352年):
守護に荘園・公領の年貢の半分を軍費として取得し、武士に分配する権限を認めた法令。
最初は近江・美濃・尾張の3か国で1年限りの施行とされました。
この半済令が初めて出されたのは室町幕府なので、問1の③は不適当です。
問1の④について
資料より読み取れるため省略します。
まとめ
鎌倉幕府では、御成敗式目・評定衆・引付の設置によって武家政治の仕組みが整い、室町幕府では半済令などを通じて守護の権限が拡大しました。
この流れは、のちの戦国大名の台頭につながる重要な転換点といえます。

参考文献
・一度読んだら忘れない日本史の教科書(山崎圭一)
・大学受験 新標準講義 日本史探求(田中結也)
・2026年版 共通テスト 過去問研究(数学社)
・新課程 チャート式シリーズ 新日本史(門脇禎二)



コメント