松本清張の略歴と、問5（W・X・Y・Z）の判定をわかりやすく整理しました。
問題の要約
ケイさんとマナさんは、長谷川町子の漫画「意地悪ばあさん」に松本清張が登場する回（資料3）を読み、次の2つの疑問を抱きました。
- 疑問あ：この漫画が描かれた1971年ごろ、女性の政治参加（特に選挙）はどの程度進んでいたのか？
- 疑問い：長谷川町子が、当時社会的発言で話題になっていた 松本清張 を、なぜ漫画に登場させたのか？
この2つの疑問を調べるために最も適切な調査方法を選ぶ問題です。
ぼく、サザエさんは全巻呼んだよ
松本清張について
松本清張（1909〜1992）
北九州市生まれ。朝日新聞社社員時代に芥川賞を受賞。1957年の『点と線』で社会派推理小説というジャンルを確立し、 以後、推理小説だけでなく時代小説・政治小説・ノンフィクションなど幅広い作品を残しました。
問5・W の検討
W は「女性の政治参加の実態を調べる方法として適切か」を問う設問です。 国政選挙における男女別投票率を調べれば、女性の政治参加の実態を把握できます。
→ W：適当（◯）
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問5・X の検討
X は「女性の政治参加の進展を調べる方法としてふさわしいか」を問うものです。 女性の政治参加がどの程度進んだかを判断するには、直近のデータだけでなく過去のデータも複数集めて時系列で比較する必要があります。 したがって、直近データのみでは不十分です。
→ X：不適当（×）
時代背景メモ：小泉純一郎内閣
小渕恵三首相の急病に伴い森喜朗内閣が短命に終わった後、自民党総裁選で圧勝した 小泉純一郎 が首相となりました。 小泉内閣（2001〜2006）は「自民党をぶっ壊す」をスローガンに、規制緩和や行政・財政の構造改革、郵政民営化などに取り組み、 また北朝鮮問題では拉致被害者5名の帰国を実現しました。
国民へのアピールがすごかったよね。カリスマ性と人気の高さが子供ながら伝わってきたよ
問5・Y の検討
Y の内容は小泉内閣の政策（規制緩和・構造改革）を示すものであり、今回の「女性の政治参加」を分析する設問の趣旨とは無関係です。
→ Y：不適当（×）
問5・Z の検討
Z は「長谷川町子が松本清張を漫画に登場させた意図」を探る方法として有効かを問います。 松本清張が当時どのように社会的に評価され、女性の政治参加についてどのような見解を持っていたかが分かれば、 長谷川町子が清張を登場させた意図を理解できる可能性があります。したがって、週刊誌等で清張の社会評価を調べることは適切です。
→ Z：適当（◯）
まとめ（判定一覧）
- W：適当（◯）— 男女別投票率は女性の政治参加の実態を示す
- X：不適当（×）— 時系列比較が必要で、直近データのみでは不十分
- Y：不適当（×）— 小泉内閣の政策であり設問趣旨と無関係
- Z：適当（◯）— 清張の社会評価を調べることは意図理解に有用
参考文献
- 一度読んだら忘れない日本史の教科書（山崎圭一）
- 大学受験 新標準講義 日本史探求（田中結也）
- 2026年版 共通テスト 過去問研究（数学社）
- 新課程 チャート式シリーズ 新日本史（門脇禎二）
- 日本史用語集（山川出版社）
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