2025年度 共通テスト日本史B 第1問(問7)解説|冷戦期の社会主義国の動き

共通テスト日本史解説(2025)

2025年度 共通テスト日本史B 第1問 問7

試験問題は大学入試センター公式サイトで確認できます。

▶ 大学入試センター(共通テスト過去問)


時代背景

第二次世界大戦後、東西冷戦の時代に入ると、ソ連の影響下にあった東欧諸国や中国、キューバなどで、社会主義体制の強化や自由化運動が起こりました。本問は、それぞれの国の動きを「メモⅠ〜Ⅲ」から読み取り、時系列に並べる問題です。


メモⅠ:プラハの春(1968年)

チェコスロヴァキアでは、改革派のドプチェクが「人間の顔をした社会主義」を掲げ、社会主義体制内での自由化と民主化を進めました。この動きをソ連は危険視し、ワルシャワ条約機構軍が介入。プラハの春は鎮圧され、ドプチェクは失脚しました。

解説たぬき
解説たぬき

「プラハの春」は冬の厳しい寒さが終わり、新たな生命が芽吹く春の季節に例えられておる。「希望と再生」じゃな


メモⅡ:中国の改革と四つの現代化(1978年)

文化大革命後、中国では鄧小平(とうしょうへい)が実権を握り、農業・工業・国防・科学技術の「四つの現代化」を推進しました。これは毛沢東路線からの転換を象徴する出来事であり、中国の改革開放政策の始まりとなりました。

解説たぬき
解説たぬき

この頃の中国は、共産党による独裁を廃止して、民主化を容認する動きがあったのじゃ。ちなみに鄧小平は民主化反対派じゃった

子たぬき
子たぬき

でも今も独裁政治だよね

解説たぬき
解説たぬき

天安門事件で民主化運動は弾圧されたからじゃな


メモⅢ:キューバ革命(1959〜1961年)

親米独裁政権バティスタに対して、フィデル・カストロチェ・ゲバラが革命を起こしました。1961年、カストロ政権は社会主義国家を宣言し、キューバはソ連と結びつきを強める反米国家となりました。

解説たぬき
解説たぬき

この動きで、アメリカはキューバと断交、ソ連はアメリカ本土を射程に入れたミサイル基地をキューバに作ろうとしたぞ

子たぬき
子たぬき

アメリカが敵になったわけだね

解説たぬき
解説たぬき

もちろんアメリカも黙っておらんがな。結果最悪は免れたが、一歩間違えたら核戦争になっておったぞ


年代整理

出来事
1959〜1961年キューバ革命/社会主義体制樹立
1968年プラハの春(チェコスロヴァキア)
1978年鄧小平が最高指導者に就任/四つの現代化

問題の要約

この問題では、冷戦期の社会主義国における政治・社会の動きを時系列で整理することが問われています。問題文には「メモⅠ〜Ⅲ」として3つの出来事が提示されており、それぞれがどの国・どの時期の出来事かを読み取って、古い順に並べる形式です。


結論:時系列の正しい並び

メモⅢ(キューバ革命) → メモⅠ(プラハの春) → メモⅡ(中国の改革)
よって、問7の正解は です。


まとめ

  • 問題のテーマは「冷戦下の社会主義諸国の変化」
  • 各国で“社会主義をどう維持・改革したか”が焦点。
  • カストロ(キューバ)→ ドプチェク(チェコ)→ 鄧小平(中国)と流れを整理。
  • 社会主義国でも「自由化」や「経済改革」の動きが見られる点が重要。

参考文献

  • 『大学受験 新標準講義 世界史探求』(山口良二)
  • 『茂木誠の世界史探求が面白いほどわかる本』(茂木誠)
  • 『理解しやすい歴史総合』(小牧薫)
  • 『2026年版 共通テスト過去問研究』(数学社)

第2問問1はこちら

第1問問4はこちら

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